こんにちは、地球の芽の大西です。
エコ村プロジェクトで、CO2を削減し、カーボン・ニュートラルを目指す取組みを担当しています。
今回のシリーズでは、2回連続で、
小舟木エコ村の造成工事に伴うCO2を削減する取組み
についてお話ししています。
造成工事CO2削減の取組みは、
「カーボン・ニュートラル宅地の販売開始」
という形で先日みなさまにお披露目をし、
一つの区切りを迎えました。
→ 詳しくはこちら
前回は、取組みに対する自分の思いや問題意識についてお話ししましたが、
第2回の今回は、
「カーボン・ニュートラル宅地の販売開始」に至る、
これまでの検討の経緯をご紹介したいと思います。
【カーボン・オフセットをしよう】
造成工事のCO2を減らす取組みの具体的な検討は、2007年の夏ごろから始まりました。
その目標は、分譲する宅地を
「カーボン・ニュートラルな宅地」
として販売していくことでした。
さて、カーボン・ニュートラルを目指してCO2を減らしていくには、
どんな方法で取り組んでいけばよいのでしょうか。
その優先順位としては、
まず、CO2排出そのものを減らすというのが基本です。
エコ村の場合には、
地球の芽自身が造成工事をするわけではないので難しい部分もあるのですが、
工事を委託した秋村組と協力・連携して、施工管理の最適化や
現場作業員に対する省エネの普及・啓発などに取り組みました。
しかし、削減のためにいろいろな工夫や努力をしても、
出るCO2を完全にゼロにすることは至難の業です。
そこで、どうしても出てしまうCO2に対して、
次の策を考えることが必要になります。
どうしても出てしまうCO2はどうやって減らすか?
それには、CO2を吸収したり削減したりする何か他の活動を合わせて行うことで
埋め合わせ(オフセット)することが必要になります。
耳にされたことがあるかもしれませんが、そうした埋め合わせをすることを、
「カーボン・オフセット」といいます。
そんなわけで、造成工事のCO2に対しては、
「削減取組み + カーボン・オフセット」
という、いわば合わせ技で、
合計での排出量がゼロ、すなわち「カーボン・ニュートラル」とすること
を目指して取り組んでいくことにしました。
【オフセット方法の検討】
さて、削減努力と合わせてカーボン・オフセットをする、
というところまでは決まったものの、その次には、
どういった方法でオフセットをするか、という検討課題が待っています。
簡単に言うと、それには二つの方法があります。
一つは、自分でCO2を削減あるいは吸収する活動を行い、
その効果をもってオフセットする方法。
もう一つは、他の誰かが行ったCO2削減・吸収活動の効果
(CO2の「クレジット」という言い方がされます)に対してお金を払い、
それを売ってもらってオフセットする方法です。
現在、一般に「カーボン・オフセット」と言った場合には、
この方法を指すことが多くなっています。
二つの方法はどう違うのでしょうか。
自主活動によるオフセットは、
何より自らが行う活動でもってオフセットできるということ、
言うなれば「自分で始末をつけられる」ということが、
その大きな意義と言えるでしょう。
しかしその一方で、活動による効果が実のところどれだけのもので、
オフセット対象の排出量を埋め合わせるに十分だったのかどうかが、
しばしば問題ともなりがちなようです。
その社会的信頼性をしっかり確保するには、
かなり専門的なプロジェクトの組み立てと第3者からの認証が必要で、
それなりの手間とコストがかかります。
もう一つの、クレジット購入による方法は、
公的に信頼のある機関によって既に認証され、
社会的信頼性が担保された「効果」を買うということなので、
そういった心配は不要です。
自らプロジェクトを行って認証を受ける手間も、それだけ省けます。
しかし、自主活動によるオフセットに比べて、
どこでどんなプロジェクトやCO2の削減が行われたか、が実感しにくい部分や、
やりようによれば「お金を払っただけ」という見方をされかねない部分もあります。
そのどちらがより望ましい方法か…そう考えたとき、
私たちは、前者の方法でオフセットしたいと考えました。
やはり、単にお金のやり取りだけで済ませてしまうのではなく、
CO2を削減する現場の活動に自分たち自身も参加したい、
そんな気持ちがあったからです。
【検討の末に…】
自主活動によるオフセットをしたいと思った私たちは、その活動内容として、
お世話になっている森林組合さんと一緒に
地域の山で植林や森林整備をするという方向で、
具体的に検討を始めました。
検討とリサーチは、
・カーボン・オフセットの一般的実務としては何が必要なのか、
といったところから始まり、
・森林整備活動はCO2クレジットを創り出す方法論としてはどうなのか、
・木が育つことによるCO2の吸収効果はどのように算定できるのか、
・森林の調査や効果の認証をお願いできそうな第3者機関はありそうか、
などにわたり、
専門家のいなかった私たちにとってはかなり時間を要する作業でした。
社内でそうした検討を行っているのとちょうど時を同じくして、
実は、世の中では変化が起こっていました。
その間に、カーボン・オフセットにまつわる国内制度の
検討・整備が並行して進んできたのです。
そのため、カーボン・オフセットを行うにあたっては、
整備されてくる新しい制度に則った取組みが要求される状況になりました。
さらに、植林や森林整備活動に基く、いわゆる森林吸収源については、
それをクレジットとして認めるかどうか、
制度の中でまだ議論と検討が続いていました。
つまり、私たちが検討していたような活動の効果は
その時点でクレジットとして認められておらず、
ゆくゆく認められるとしてもさらに時間がかかりそうだったのです。
一方、私たちの企画としては、
いつまでも国内制度の整備を待てるわけではなく、
小舟木エコ村の販売ペースに合わせたタイミングで
カーボン・オフセットを行うことが必要でした。
最終的にたどり着いた結論は、
今回の造成工事のCO2に対するオフセットには
「クレジットを購入する」という方法をとり、
自主活動によるオフセットに対してはより長期的な課題として取り組んでいく、
というものでした。
その方向性がようやく定まったのは、2008年の12月。
振り返れば、具体的なリサーチと検討を始めてから数えても、
1年以上が経っていました。
それ以降は、
以前からお付き合いのあったクレジットのプロバイダ
(CO2クレジットを販売している企業や法人をこう呼びます。)
に相談を始め、準備と手続きをし…
それまでの検討の期間を思うと、
方向性が定まって動き出してから
「カーボン・ニュートラルな宅地」が形になるまでは
あっという間でした。
そしてこの度、小舟木エコ村の地球の販売区画を
カーボン・ニュートラルな宅地としてお客様にお届けできるようになりました。
ざっとこんなところが、その舞台裏です。
今回の取組みでは、自主活動によるカーボン・オフセット、
つまり、「自らの手で自らの始末をつける」ことは実現できませんでしたが、
次の機会こそはそれを形にするべく、
引き続き準備と検討を行っていきたいと思っています。
また、
■地球の芽の企業活動に伴うCO2
■エコ村に住む人たちの生活に伴うCO2
に対する削減の活動については、機会を改めてご報告していきたいと思います。