Report13 環境保全のための補完通貨
4月初め、補完通貨の専門家であるベルナルド・リエター氏をお招きして、
以下のように、滋賀県内の様々な方と勉強会・懇談会を企画しました。
・4月5日昼 嘉田県知事との懇談会

・4月6日昼 滋賀県琵琶湖・環境科学研究センターでの勉強会

・4月6日夜 滋賀経済同友会での懇談会
・4月7日昼 小舟木エコ村での勉強会(→報告はこちら)
・4月7日夜 エコ村ネットワーキングのセミナー
日本でも数年前、地域通貨がブームになったことがありましたが、
今回リエターさんのお話をいろんな場所で聞いてみて、
今まで知らなかった可能性を知り、改めてワクワクしています。
そんな気づきを皆さんと共有できればと思い、
まだまだ消化中ですが、以下、まとめてみました。
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Report 12 いい家で、暮らそう
8月の月間販売台数1位だったプリウスの魅力はなんといっても燃費、だそうです。パソコンやデジタルカメラも、メモリの容量や起動速度など、使い心地を決める性能が大きな判断基準になるので、製品カタログの最後にある細かい表を、かなり真剣に見て比較している人も多いのでは。
大事なものを手に入れるときは、ぱっと見のインスピレーションだけでは不安。長く使い続けるものだからこそ、しっかり自分の希望も踏まえて考えたい。。。
では、住まいはどうやって選んでいますか?
建売住宅でも注文住宅でも、大きな買い物だからこそ、誰だって建てるときはじっくり考えて計画したいはず。近年、国が住まいの省エネや長寿命化に力を入れ始めたことで、住まいづくりをする人を応援する新しい制度が充実してきました。そこで今回は、快適で長持ちするいい住まいづくりの参考になる制度をご紹介します!
「いい家」のポイント
~長期優良住宅制度と住宅性能表示制度~
まず、「いい家」の共通ポイントの参考として、「長期優良住宅制度」のチェック項目をご紹介したいと思います。「いい家」はやっぱり長持ちしてほしい。住まいづくりの際に、見落としがちだけれど重要なポイントがまとめられていると思います。
■長期優良住宅の認定基準(平成21年6月施行) 出典:住まいの情報発信局

長期優良住宅制度は、より価値がある高品質な住宅を認定する制度です。長期優良住宅の認定を受けると、まずなんといっても質の良い住宅を建築できますし、同時に、住宅ローン(フラット35)の利率優遇、税制優遇が受けられるなどのメリットもあります。(認定を受けたい場合は、着工前に設計士が認証機関に書類を提出する必要がありますので、設計士にご相談してみてください。)
また、特に認定を希望しない場合でも、この制度は住まいの性能を検討する際の参考になります。例えば、「耐震と省エネに関しては、長期優良住宅制度に適うレベルにしてください」といったように、これを参考にして設計士に希望を伝えれば、希望をより正確に伝えることができます。
家族で間取りを考えるのと同じように、住宅の性能に関してもじっくり事前に検討して、希望を設計士と話し合ってみてくださいね。
さて、先ほどの表の右側記載されている「住宅性能評価」についてもご紹介しておきます。
この制度は、2000年から始まった住宅を客観的に評価する制度で、住宅の通信簿のようなものです。建築基準法にもともと定められている性能項目については、最低等級である等級1が建築基準法程度の性能となるよう設定されています。等級を高めるためには費用もかかってきますので、全てが最高等級である必要はありません。費用と自分自身の希望を考慮しつつ、どの性能を重要と考えるかが決め手となります。
前述の長期優良住宅制度は、この住宅性能評価制度の10項目の中で、特に長持ちする住まいに必要な項目を抜き出し、さらに景観や維持管理といった項目を追加してまとめられています。
住宅性能評価自体は通信簿であり、これによって特にローン優遇などのメリットがあるわけではありませんが、既築住宅の売買では、このような客観的な判断基準があると他の物件と比較しやすく、売買時のトラブルも回避できる可能性が高まると言われています。
残念なのは、この住宅性能評価制度がまだ十分に認知されていないこと。中古住宅でも評価してもらうことが可能ですので、今後は、中古住宅市場などでの認知度向上を目指してほしいものです。
エコハウスを目指すなら
~環境性能を測る「CASBEEすまい」~
一般的な性能だけでなく、もっと環境に配慮した住まいを建てたい、という方にはぜひCASBEEすまいを利用しながらプランニングを進めるのがおすすめです。(ただし、CASBEEを利用するには設計士のサポートが必要ですので、まずは相談してみましょう。)
「CASBEEすまい」とは、地球に対してリスクの少ない住宅を評価する制度です。CASBEEすまいでの自己評価は、費用はかかりませんが、専門的な知識が必要になってくるため、前述の他の制度と違ってとっつきにくいかもしれません。しかし、快適な住まいの基本となるパッシブデザインや、国産材の利用、省エネ、地域に固有の緑を植栽に取り入れる、などなど、小舟木エコ村のコンセプトに共通する項目がとても多く、住まいの環境配慮のために必要とされている視点が一通り網羅されています。
しかも、CASBEEの全ての項目について、結果を判定して点数を入力していくと、環境配慮のレベルがS(Special)、A、B、などのランクで表示される仕組みになっています。こだわりのエコハウスの環境配慮レベルがどのくらいかを客観的に図るツールとして、楽しく取組むことができます。

CASBEEの評価シートフォーマット
住まいの評価制度を活用しよう!
これら、住宅を評価する制度がうまれてきた背景には、住宅政策の大きな方針があります。
・住宅が30~40年程度で取り壊され、大量の廃棄物となってしまう状況が続いているので、長持ちする良質な住宅を建てて社会資本としてストックしていきたい。
・家庭からのCO2排出量が増え続けているため、消費者を巻き込んで住宅の省エネ化をすすめ、増加に歯止めをかけたい。
・不良住宅や中古物件売買にまつわるトラブルが絶えないため、客観的な第三者による評価制度をつくりたい
これらの状況に対応する形で様々な評価制度が立ち上がってきました。たくさんありすぎて、混乱してしまいそうですが、長期利用に耐える省エネ住宅を、という意味では共通項も多く見られます。一長一短ありますが、特に重視したいポイントに照らし合わせて一番利用しやすい制度を参照または利用してみるのがよいと思います。
以下に、制度の背景を簡単にご紹介しますので参考にしてみてください。
住宅性能評価制度は、2000年に始まりました。住宅は、工業製品と違って質の良し悪しが比較しづらく、売買時のトラブルもなくなりません。その状況を改善するため、客観的な評価方法を確立して、質の良い住宅の流通を促進することを目的として施行されました。この制度では、技術者による確認なども行われ、設計どおりの施行が行われているかなどの第三者の視点も取り入れた制度となっています。評価証を取得するには、住まいのオーナーが申請を出して審査してもらう必要がありますが、一般の方への認知度はまだまだ低く、十分に活用されているとはいえません。
ただ、様々な住宅関連制度のベースとなる制度ですし、今後中古住宅が流通するようになれば、その比較のためにはとても有用なツールとなるはずです。
今年、この住宅性能評価制度を利用し、特に上質で長期的に利用可能と思われる住宅を認定する制度として始まったのが、長期優良住宅制度です。住宅性能評価制度の評価項目を一部援用し、総合的に評価することで、日本の住宅のスクラップ&ビルドを改善し、質の高い家を社会資本としていくことが狙いです。
一方、CASBEEすまいは、住宅の環境性能に関する取り組みを詳しく調査し、2007年に正式に公表されました。実は世界中では1990年代より、建物(特にオフィスビルなどの建築物)の環境性能を評価して公表する制度が相次いで作られてきました。1990年代にイギリスから始まり、アメリカ、カナダ、などに広がっています。アメリカでは環境配慮した建物は「グリーンビルディング」と呼ばれ、その評価が不動産の経済価値にも影響するため、環境配慮型建築の建設がさかんになってきています。
日本でも同様な制度として、CASBEEの制度が立ち上がりました。「CASBEEすまい」は、CASBEEシリーズの中で戸建住宅に特化した評価制度です。
住まいは個人が手に入れるものの中でも質量が大きく、環境影響も大きくなりがちです。住まいを建てて・暮らして・壊すことによって引き起こされる環境影響を、できるだけ最小限にするための取組みを、網羅して取りまとめることで、戸建住宅における環境配慮をより広く普及することが狙いです。
念のため、2009年6月に始まった省エネルギーに特化した「住宅省エネラベル」制度もご紹介します。もし、これから建売住宅を買おうという方は、ぜひ参考にしてください。
2009年6月から始まったこの制度は、なかなか進まない住宅業界全体の省エネ化を消費者も巻き込んで促進することが大目標です。家電や空調機器も含めた居住時を想定して住まいの省エネ度を評価し、省エネでない住宅を市場から排除していこうという狙いがあります。数年毎に基準を見直し、段階的に省エネ度を高めていく予定です。
「総合省エネ基準」と「断熱性能基準」と、二つの表示内容があり、最低でも「総合省エネ基準」に適合していないとこのラベルを表示することはできません。家電の省エネマークと同じように、自己評価でも第三者評価でも省エネマークを表示することができます。

省エネマークの例
最後に、近江八幡市では今年、21世紀環境共生型住宅普及事業として、小舟木エコ村内にエコハウスのモデルを建築しつつ、エコハウスの普及啓発活動を行っています。
エコハウスに関する新しいウェブサイトもオープン! エコハウスに興味を持っている皆様、ぜひセミナーなどに足を運んでみてくださいね。
湖国エコハウス地域普及事業「そろそろエコハウスにしませんか」
http://kokoku-ecohouse.net/
齊藤千恵
太陽光発電パネル助成金(滋賀県)
滋賀県で太陽光発電パネルを搭載されたいとお考えの方は必見です。
現在、太陽光発電パネル購入時に1kW当り7万円が国から助成されています。
その助成金に加え、滋賀県が1kW当り3万円の助成を開始いたしました。
この制度により、1kW当り7万円+3万円の計10万円の助成金を、
滋賀県で太陽光発電パネルを搭載する場合に得られることになります。
(但し、国の助成金は、1件当り70万円が上限です。)
(但し、県の助成金は、1件当り10万円が上限です。)
2010年2月22日までに設置した方が対象で、
申請期間は2009年8月3日-2010年1月29日までです。
予算総額(約650件)に達し次第受付は終了されますので、
設置される方は、お早めに申請をされてはいかがでしょうか。
詳しくは、滋賀県のホームページに記載されています。
http://www.pref.shiga.jp/hodo/e-shinbun/de00/20090727.html
また、その他にもエコな住まいづくりのための助成金を集めた
ブログも掲載していますので、こちらもご覧ください。
http://www.chikyunome.co.jp/blog/eci/ecimagazine/2009/02/post_3.html
■掲載内容
・住宅ローン減税
・太陽光発電パネル
・木の香る淡海の家推進事業
・改修工事をした場合の所得税額の特別控除
・コンポスト容器
・長期優良住宅認証制度
田中孝佳
Report11 チェックする仕掛け
家庭での環境負荷をチェックするための「環境家計簿」、
実際に記録をつけてみたことはありますか?
自分やご家族の生活にどんな変化がありましたか?
環境家計簿は、毎日の生活の中で、どんな環境負荷が
発生しているか、家計の収支計算のように行うもの。
最近はあちこちの自治体や企業、NPOなどが
さまざまな形式の環境家計簿を作成していますが、
毎月使用する電気、ガス、水道、ガソリン、燃えるごみなどの量に
二酸化炭素(CO2)を出す係数を掛けて、
その家庭でのCO2排出量を計算する形式のものが多いようです。
日本で最初の実用的な環境家計簿は、
1981年に滋賀県の大津生協で作成された「くらしの点検表」。
琵琶湖の汚染をなくすことを目標に始められたそうです。
ただ、私自身、環境家計簿を使ってみて感じたのは、
自分だけで頑張ってみても、成果は小さなものだし、
なかなか削減する努力も、家計簿をつける努力も持続しない。
そんなことを思っていたのですが、
最近ではオンラインで登録することで、削減目標に向かって、
みんなで達成度を確認しながら
取り組めるような仕掛けも増えてきました。
滋賀県でも、2008年11月にみるエコおうみ
というホームページが開設されています。
このサイトでは、削減チャレンジや、電気ガスなどの使用量を入力することにより、
グラフや数値による「見える化」でCO2の排出量を確認することができます。
しかも、企業からの協力を得て、頑張った人は景品ももらえるのです。
(2008年度は試験的な運用で、現時点ではいったん終了しています。)
■
環境家計簿の中には、CO2排出量を計算するだけでなく、
自然とどのくらい触れ合っているかなど、
生活環境チェックを含んだものもありますが、
最近アメリカではCommunity Passportという
一味違った仕掛けを打ち出しているという話を聞きました。
ホームページを見てみると、
「Save the Planet, Win Eco-friendly Prizes!
(地球を救って、環境にやさしい景品をもらおう!)」
というキャッチコピーで始まります。
コミュニティ・パスポートをオンラインで登録して
地域のボランティア活動にできるだけたくさん参加したら、
協賛企業からの素敵な景品がもらえる!という仕掛け。
1)まずは、オンラインで登録(無料)
2)4月22日から7月22日までの3ヶ月間の間に
できるだけたくさんの時間&種類のボランティア活動に参加
3)期間終了後、もっともたくさんボランティアしていた人に、
LL Beanの自転車や、シエラクラブのテントなどなど
環境にやさしい旅行を楽しむグッズなどがプレゼントされる。
分野別・地域別・日程別に、様々なボランティア活動が
ホームページで紹介されているので、
自分の都合と合わせて、どんな活動に参加しようか、
簡単にチェックできるのがとても便利そうです。
しかも、たくさん活動に参加すれば、
素敵な景品までもらえるかもしれないなんて一石二鳥!
こうした仕掛けをうまく使って、環境に配慮する生活や、
地域に貢献するような活動を楽しみながら実践できればいいですね。
最後に、Community Passportを仕掛けている団体の方の言葉を引用。
"The real winners in this contest will be
our environment and all life that depends on it."
このコンテストの本当の勝者は、
(ボランティア活動によって改善される)
環境やそこで暮らす生きものたちなのです。
(高田友美)
Report10 「生活環境主義でいこう」
2006年7月から、滋賀県知事として活躍されている嘉田由紀子さん。「もったいない」という印象深いメッセージで、当初の予測をひっくり返して知事に当選されたのは、多くの人の印象に残っていると思います。
その嘉田知事が、2008年5月に本を出版されたのをご存知ですか?
「生活環境主義でいこう!琵琶湖に恋した知事」語り 嘉田由紀子・構成 古谷桂信(岩波ジュニア新書)
4月中旬に、琵琶湖放送の番組でお目にかかることになったのがきっかけで、改めて嘉田知事について、知りたいと思うようになりました。そして偶然手に取った本のうちの一つがこの「生活環境主義でいこう!」です。
公式な場での個々の政策についてのやり取りは、これまでも新聞やインターネットで見てはいましたが、嘉田知事がどこへ向かおうとされているのか、あまりぴんときていなかったのが正直なところでした。しかしこの本で、物語として嘉田知事について知ることができたことで、知事の考え方の大きな枠組みというか方向性を、「感じる」ことができました。
著者の古谷さんがあとがきにこう書かれています。
「私が嘉田さんについての本をまとめようと考えたのは、読者のみなさんに生活環境主義という考え方を知ってほしかったからでした。生活環境主義的な発想は、地球規模での環境問題が日常的に取り上げられるようになった今日こそ、自分たちの足元を見つめなおす考え方として、重要さを増していると考えたからです。」
古谷さんの狙いは成功していると思います。そしてまさに今、ダム計画の凍結などで激しい議論が交わされている時だからこそ、知事の考えを広く知ってもらって、その上でより建設的な議論が行われてくれたらと感じました。
今回はこの本の中で私が共感し印象に残ったポイントを少しだけご紹介すると共に、今後の課題だと思うことを書いてみました。知事にお会いした際には、ぜひこんな意見をぶつけてみようと思います。
印象に残ったこと
■嘉田由紀子さんという女性に出会える
この本を読むと、知事としての嘉田さんではなく、一人の人間としての嘉田さんに出会うことができます。若い頃、育児支援制度が十分でなかったために研究と育児で苦労したこと、地域のコミュニティに入っていくのが大好きなこと、自然災害にもしなやかに対応する地域の人達の強さに驚いたこと。
一番素敵だったのはあとがきに紹介されてあった、沖島の漁師さんの言葉。
「そりゃ、嘉田さんが知事選に出ると聞いたら、ここらのもんはみんな嘉田さんに入れますわ」
嘉田さんは研究者時代、フィールドワークで滋賀各地を回っていたそうです。嘉田さんが研究活動を通して、どれほど滋賀の地域の人達と一体になっていたかが伝わってくると思いませんか?
■フィールドワークから生まれた「生活環境主義」
嘉田知事のビジョンを理解するには、その背骨となっているこの「生活環境主義」という考え方を知る必要があると感じました。これは、嘉田知事をはじめとする琵琶湖研究所の研究者達が、1980年代の滋賀県内でのフィールドワークを重ねる中で生まれてきた考え方だそうです。
琵琶湖や河川を対象物としてみて、「制御」か「保全」かという二者択一を迫る議論を乗りこえ、自然を人の生活がある場所として捉えることからスタートします。そして、地域の自然環境とそこに暮らす人々の生活との関わりを知り、伝統的な社会システムから現代の技術まで幅広い選択肢をふまえた上で、地域の自然と人間の生活がバランスをとりながら共生できる方法を、そこに暮らす人達が主体的に決定していくのを応援しよう、という考え方です。
基本的に、21世紀の持続可能で環境共生型の社会のあり方として挙げられている多様な項目を包含しうる考え方として、私も共感する部分が多かったです。この考え方が、嘉田知事の県政の舵取りのベースを流れているのだな、と納得することができました。
今後に向けて感じたこと
嘉田知事の掲げる「生活環境主義」。環境問題が毎日のように新聞のトップ記事となり、社会の転換が必要だとあちこちで叫ばれている現在、科学的、社会学的学説として彼女の目指す方向性を批判する人はあまりいないのではないでしょうか。
しかしそれを現実の社会の中で実現しようとすると、すさまじい議論が起こります。でもそれは、新しいやり方に向けて誰もが模索しているのだから当然なのでしょう。
「苦悩というものは前進したいって思いがあってそれを乗り越えられる可能性のある人にしか訪れない。だから苦悩とは飛躍なんです。」とは野球選手のイチロー語録だそうです。今、淀川流域のダムに関して起こっている大きな議論も、大きな転換であり飛躍のプロセスなのだと思います。
(このダムに関する長い議論のプロセスをきちんとウォッチしているとは言えない私が無責任な意見は言えませんが、注目していきたいと思います。)
来週、嘉田知事にお会いする際には、ぜひこんな意見をぶつけて議論ができたらなと思います。
■歴史的なダムの議論はぜひ記録にして公開してください
今回のダムの議論については、実際に自然災害の際に影響を受ける人達の意見や本当の課題が聞こえづらい状況になっている気がします。ぜひ知事が積極的に現場の方々との対話を進め、その対話の様子を記録として公開してほしいです。脱ダムか否か、というセンセーショナルな議論の先にある、21世紀型の公共工事を模索するプロセスは、きっと多くの人が期待し、関心を寄せるところだと思います。
■新しいコミュニティと社会の仕組みの構築
本書の中では、漁業や農業、林業といった、滋賀伝統の産業振興に関する方向性はビジョンが明確に描かれていて、さらに地域でそれに応える動きが広がっているのが素晴らしいと思います。一方で人口が増え続けてきた滋賀県には、伝統的農村へのつながりを持たずに県外からきて滋賀に暮らす人々も多いでしょう。そういう人達が、主体的なコミュニティと社会システムを構築していくためには、サポートのための施策が求められると思います。
■これからの滋賀をささえる仕事は何か。
今回の経済混乱の中で、外需依存の脆弱性が指摘されました。工場などでの第2次産業による雇用への依存度を少しずつ下げていくために、どんな仕事をどうやって創出していくのか。これからの滋賀を支えるための重要な課題だと思います。
■2030年、50%削減に向けたロードマップを
滋賀県は、2010年までに温室効果ガスを9%削減、そして2030年までに50%削減するという目標を掲げています。9%の削減は、社会全体がきちんと省エネに取組んだかどうかの試金石。そして50%の削減は、低炭素化に向けて社会システムを転換することができたかどうかを示すものだと思います。2030年まであと21年。社会システムを変えることには時間がかかります。できるだけ早くそのビジョンを示す必要があると思います。
(しかもこの環境の世紀のこれからの20年のロードマップを、生活環境主義を掲げる知事と描くなんて、楽しみですね!)
■温室効果ガス削減目標の議論に、人の暮らしという視点を入れたい。
現在、2009年6月の取りまとめに向けて進められている国の温暖化防止のための中期目標作成の議論では、幅広い削減目標とそれに関する対策のための経済的なコスト、そして国際社会に対する面目などが淡々と議論される一方で、それによる将来を生きる世代の暮らしや生態系への影響がほとんど議論に上っていないのがとても不満です。琵琶湖とそれに関わる人々の生活を良く知る嘉田知事には、ぜひ地球温暖化が琵琶湖とそこにある暮らしへの影響についてメッセージを発していただきたいし、また実際、それを広く伝えるための場をつくれたらよいなと考えています。
--
(齊藤千恵)
Report9 エコな住まいづくりのための助成
1月中旬、09年度の税制改正の内容が決定し、再び大幅な減税が始まることになりました。ローンの利率も低いし、消費税が上がるという話もあるし、この機会にとお住まいを検討し始める人が多くなってきました。そんな中でも、きちんと環境のことも考えた家づくりをしたい、と考えている人も多いはず。
エコな家づくりは、日々の生活の快適性に直結する上、ランニングコストも低くなるため、長期的に見ると経済的にも有利になることがほとんどです。しかし、短期的に見ると、平均的な家作りより初期投資が大きくなりがちなのも事実です。
そんな悩みを少しでも軽減するべく、実は国や自治体は数々の助成金などを準備しています。今回は、滋賀でエコな家を建てる時、利用できる助成制度を集めてみました。
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■ 住宅ローン減税
まずは滋賀に限りませんが、最も多くの方に関係するであろう平成21年の減税制度です。
「住宅ローン減税」と言われますが、正確に言うと、「居住する住宅取得のためのローンを支払っている人向けの減税制度」といったところです。具体的には、住宅ローンを支払っている人が、ローンの残高に応じて、所得税・住民税などの控除が受けられるというものです。21年の控除率は、20年に比べて大幅に拡張されて、以下のようなものとなりました。

国土交通省HPより抜粋
※「長期優良住宅」って何?と思われた方。長期優良住宅の認証制度についてはこのレポートの最後にご紹介します。
最近は、こんな便利なサイトも登場♪
住宅減税シュミレーション
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例えば、21年に住宅を取得して以下の条件でローンを組まれた場合を考えてみましょう。
借入金額:3000万円
年利:2.3%固定
方式:元利金等(ボーナス返済なし)
夫婦の合計年収:600万
扶養家族:1人
このご家族の場合は、毎年の控除額は以下のようになります。
年末残高 控除額
1年目 2,943.53万円 26.53万円
2年目 2,885.76万円 26.53万円
:
8年目 2,509.77万円 25.09万円
9年目 2,441.91万円 24.41万円
10年目 2,372.48万円 23.72万円
合計 258.03万円
結果、今後10年間で約258万円の控除が受けられることになります。
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もうひとつ見逃せないのが、減税が解除されるはずだった住宅取得に関わる登録税などの減税税率が軒並み延長されたこと。住宅取得時の税金は標準額だとかなり大きな金額になるので、減税された分の資金をローンの頭金に振り分けることができるのは、資金計画上大変助かります。
住宅ローン減税を受けたい場合には、住宅を新築した(または取得した)年に税務署へ確定申告する必要があります。翌年からは、給与所得者の場合は年末調整の段階で住宅ローン控除の適用を受けることができます。
住宅ローン減税を適用してもらうためには、床面積や利用方法など用件があります。また、既に買い替え特例の税控除を受けているなど、一部住宅ローン控除が受けられない場合がありますので、ローン控除を希望される方は、税務署などで事前に確認をしてくださいね。
■ 太陽光発電に挑戦したい
… 経済産業省による、住宅用太陽光発電導入支援
太陽光発電の導入を促すため、太陽光発電を導入する世帯に、1kW当たり7万円の助成を行う制度です。「電灯契約をしている方」が対象となりますので、既築の住宅に太陽光発電を設置したい方、または平成20年度内に完成される方が対象になります。
募集期間:平成21年1月13日 ~ 平成21年3月31日
補助金額:公称最大出力1kWあたり7万円(ただし最大出力10kW未満)
想定補助件数: 35,000件程度
滋賀県の申込窓口: 財団法人 淡海環境保全財団 077-524-7168
申込み詳細: 太陽光発電普及拡大センター
一般的には、太陽光発電を設置するための費用は60~70万円/kWといわれています。一般家庭では3~4kWを設置することが多いため、費用は200~300万円程度になります。今回の補助では、その費用の約1割を助成してもらえることになります。
募集期間内でも助成金の予算枠がいっぱいになり次第締め切りとなることが予想されますので、補助を希望される方は早めのお申込みをお勧めします。なお平成21年度以降の助成については未定です。
■ 地域の木で家を建てたい
… 木の香る淡海の家推進事業
滋賀県内で住宅を新築するとき、事前に申請すると琵琶湖の杉・ヒノキの柱材を最大100本まで無償でプレゼントしてもらえる制度です。もっと滋賀県の木材を活用し、滋賀県の森を元気にすることを目的にしています。
通常、毎年4月頃に申込み受付を開始し、年間60棟分を募集しています。平成20年度は既に申込みが締め切られていますが、平成21年度も県産材の利用促進事業を行う方向で検討されているそうです。21年度版制度の詳細は3月頃には明らかになってくるかと思います。
なお20年度版を参考にすると、申込み時に新築する住宅の図面等、設計士や施工会社に書類を作成していただく必要がありますから、この制度の利用を希望される方は、まずは担当の設計士にご相談ください。
(参考)平成20年度の制度概要はこちら: 滋賀県木材協会
■ 既に居住している家を、もっと省エネにしたい
…改修工事をした場合の所得税額の特別控除
これは、平成21年度の減税制度に伴って創設された新しい減税です。今の日本の膨大な既存住宅の省エネ化を後押しするためのものです。
制度の内容としては、住宅の断熱性能を向上させるための改修工事を行った場合に、その工事費、最大200万円までの10%を所得税から控除してくれるという制度です。さらに、同時に太陽光発電を設置した場合は、上限が300万円まで引き上げられます。
家の中で、最も熱が逃げやすいのが窓の部分。そのため、この制度の適用を受けるためには、全ての窓の改修工事を行うことが条件となっています。

国土交通省HPより抜粋
なお!!
太陽光発電に対する助成は、前述した経済産業省の太陽光発電導入支援事業とは、残念ながら併用できないそうですのでご注意ください。
■ 生ごみを自宅でリサイクルしたい
滋賀県内ではほとんどの市町村で、生ごみコンポスト購入時に、その費用の一部を助成してもらえる制度があります。
参考までに近江八幡市の補助金制度は下記のとおりです。
生ごみ処理器(コンポスト) 購入金額の1/2以内で、最大3000円まで
電動生ごみ処理機 購入金額の1/4以内で、最大15000円まで
*購入時にレシートを受け取るのを忘れずに!
申請の窓口: 近江八幡市役所 市民部環境課 0748-36-5509
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景気の悪化と温暖化対策の最初のデッドラインが迫ってきたことで、この春からさらに各種の大きな制度の変化が予想されます。すでに、ニュースでは「グリーンニューディール」という言葉もおなじみになってきました。できるだけ温暖化防止や環境改善に役立つ投資活動を国が後押しして、雇用を作り出そうというものです。
その甲斐もあってか、景気の悪化とは裏腹に住宅を新築する動きは加速しています。住宅ローンの低利率、将来の消費税Upの税率の議論を見ていると、確かにいま日本国内において住宅を取得する好条件が揃っていると見ることもできますね。
そして、世界の中の日本として見るとさらに大きな流れが見えると思います。
世界はいま、発展途上国の経済発展が続いています。今後資源を使う人が増えるにしたがって、当然資源の価格は全体的に上昇するでしょう。家を建てるということは、今まで以上に貴重なことになっていくと思います。資源がありあふれた時代はもうすぐ終わります。
いま家づくりをされる方々には、国の助成金などを上手に利用しながら、「性能」と「環境」にできるだけこだわって、次の次の世代までも快適に住めるような、長く価値を持つ家づくりをしていただくことをお勧めします!
<参考> 長期優良住宅認証制度
日本の住宅政策を、「量」の確保から「質」の向上へと転換し、住宅の長寿命化を目指すことを目的につくられた住宅の認証制度です。これにより、住宅のスクラップ&ビルドを回避し、環境負荷の低減、国民生活の経済負担の軽減、国の社会資産形成を目指すとされています。 土交通省の審議会での議論審での議論の内容を公開するサイトに、具体的な認証基準に関する資料が公開されています。
第17回住宅宅地分科会配布資料 資料2-2 長期優良住宅の認定基準について
今回の平成21年の税制改革を手始めに、今後長期優良住宅と認証された住宅に対しては、税控除や金融面での優遇など、国が率先して多方面からの支援をおこなっていくことを予定しているそうです。
齊藤千恵
Report8 菜種の力
◆滋賀県といえば、菜の花プロジェクト!?
滋賀県といえば、琵琶湖。その琵琶湖を守るための活動として
環境活動にかかわる人の間で有名な「菜の花プロジェクト」。
1976年、滋賀県東近江市で生まれた菜の花プロジェクトは、
琵琶湖の汚染の原因である廃食油を回収し、
そこから石鹸をつくるところから始まりました。
90年代後半には、その原料である油に着目し、
地元にたくさんあった休耕田で菜の花栽培を始め、
これを搾油して、その油を家庭や給食にまわす。
その廃油はまた回収し、せっけんだけでなく
バイオディーゼル燃料にもリサイクルして、
スクールバスやトラクターを走らせる。
その菜の花畑は観光資源にもなるし、
菜の花からの蜂蜜や油で揚げた菓子など
新しいビジネスにもつながる・・・と、
どんどん大きな循環へとビジョンを展開していきました。

そんな一石何鳥もの菜の花プロジェクトは、
いまや日本全国100ヵ所以上に広がりを見せる
大きな市民活動ネットワークへと育っています。
◆ 菜種の自給
このように菜の花プロジェクトの活動が活発化する一方で、
日本で伝統的に使われてきた「菜種を搾って作る菜種油」は、
深刻な生産状況にあるそうなのです。
ナタネ油は日本人が消費する食用油の56%を占めるのですが、
日本で利用される菜種の約90%はカナダ産で、自給率はなんと0.03%。
しかも、カナダ産の菜種の84%(栽培面積ベース)は組み換え種で、
国内生産された菜種は、遺伝子組み換え菜種の油を食べたくないという
消費者ニーズに応えて地方の製油所や生協などが契約栽培をして支えてきたそう。
私も、会社の仲間たちと食材などの共同購入で、
影山製油所(島根県)のおいしい菜種油を愛用しているのですが、
その背景にこんな厳しい現実があったことを
去年の夏、初めて知りました。
きっかけは、国が菜種栽培のために続けてきた助成を
2008年産までとして打ち切りを決めたこと。
ナタネ生産農家の収益の4割を支える助成金がなくなると
生産をやめざるを得なくなり、これまでなんとか守ってきた
国産ナタネの灯が消えてしまう、との声があちこちで上がりました。
ここで私がすごい、と思ったのが、反対署名を集めるだけでなく、
「素人が家庭菜園やプランターで作ったところで
状況は何も変わらないかもしれないけれど、
皆で菜種を育ててみよう!」と消費者を巻き込み始めたことです。
小舟木エコ村のすぐ南側で有機農業に取り組むNPO法人 百菜劇場でも
この呼びかけに賛同して、菜園サポーターの何人かの皆さんと一緒に
菜種の栽培にチャレンジしてみることにしました。
今年の初夏、菜種を収穫できたら、島根の影山製油所にお願いして
油を搾っていただけるそうで、今から楽しみです。
◆菜種のヴァージンオイル
菜の花プロジェクトでも、菜種油というと「てんぷら油」
というイメージが強かったのですが、長野県大町市では
より付加価値の高い「菜種のヴァージンオイル」として事業化し
評判になっているそうです。
最初は、自分たちの作った油が、市販のものと比べて
色も香りもあまりに違うので「とても売り物にならない」
とあきらめていたそうなのですが、東京の有名フレンチ・シェフに
相談したことがきっかけとなって、思いがけない菜種油の味に気づいたそう。
オリーブオイルのように、パンにつけたり、
マリネや肉料理の香り付けにしたり。
フレッシュで香りも旨みも十分にある「菜種のヴァージンオイル」に、
油に対する考え方が180度変わりそうです。

話は少し脱線しましたが、
寒い冬の畑にもちらほらと黄色い菜の花が見える今日この頃。
菜種の地産地消に少し思いをはせてみませんか?
そして、小さくても菜園スペースをお持ちなら、
菜種の「自産自消」にも、一歩を踏み出してみませんか?
(ちなみに菜種の種まきは、9月頃が適期です!)
(高田友美)
<参考URL>
菜の花プロジェクトネットワーク
http://www.nanohana.gr.jp
国産ナタネの灯を消すな!緊急要請
http://www.yasudasetsuko.com/gmo/column/080602.htm
長野県大町市の地なたね油の取り組み
http://www.kanko-omachi.gr.jp/blog/archives/2008/06/post_678.html
Report7 生物多様性と私
11/26(水)、東京で『いきものがたりPart2』と題した生物多様性に関するシンポジウムが開催されました。当日の会場は主催者側が驚くほどの熱気。企業やNGO、行政など多様なセクターの方々にご来場いただきました。
「生物多様性」に関する国内での今後の展開が未知数で、情報のプラットフォームが定まっていないため、最新の情報をまとめて得るにはよい機会と捉えられたのかもしれません。
しかしこの盛上りにも関わらず、会場では「“生物多様性”はやっぱり分かりにくい」という意見が絶えません。(すごく分かります、その気持ち。。。)生物多様性とは何か、それがなぜ大切なのか、という説明はある意味当たり前すぎてあまりピンと来ないのかもしれません。
そこで今回は、「生物多様性と私」と題し、個人の立場でできることを通して、生物多様性を保全するということはどういうことなのか、を考えてみたいと思います。
私は普段、どう生物多様性と関わっているの?
私の普段の生活と自然の生物多様性。あんまり関わりはないわ、と思う人もいるかもしれません。でも考えてみて下さい。私たちが食べるモノ、使うモノの材料は全て自然由来です。お米も、金属も、石油でさえも。たとえ一日の中で一度も森や生き物に出会うことがなくても、意識するかしないかに関わらず、私たちは自然の生態系に頼って暮らしています。同時に、私たちのすることは常に生態系に影響を与えているのです。
どんな風に私たちの生活は生態系に影響を与えているのか?実際に、モノを通して具体的に世界を見て見ましょう。例えばいま、机の上にある携帯電話、クッキーで考えてみましょう。。。
■携帯電話の例
電子機器には様々な貴金属が使われています。東北大学の「こでんプロジェクト」のサイトを参考にしてみると、携帯には石油由来の樹脂の他、21種類の金属(レアメタル含む)が使われているそうです!

情報:こでんプロジェクトWebsite から
これら金属は、オーストラリア、アジア、南米やアフリカの採掘場から掘り出されています。その際には森林伐採や土壌の流出もあるでしょう。金属を熱して精製するためにたくさんの二酸化炭素も排出されているでしょう。またこの携帯で使う電気は東京電力さんから。東京電力は、原子力・天然ガス・石油・水力などです。原子力の燃料はカナダ等から、石油はアラブ諸国から輸入しています。
この小さな携帯電話一個を通して、なんと世界4大陸の地域のみなさま(地盤も含めた意味での生態系)にお世話になっているじゃないですか。
■クッキーの例
パッケージには、植物油や小麦粉など、実にたくさんの原材料が入っています。日本で使われている小麦粉のほとんどが輸入されていることは以前触れたので、今回は「植物油」に注目。
最近のお菓子の原材料に「植物油」と表示してあるものの多くは、熱帯性のパーム椰子から取れるパーム油だってご存知でしたか?私は先日のシンポジウムで初めて知りました。パーム油は健康志向やエコ意識の高まりと共に、食用として、また植物性せっけんやシャンプーの原材料として欠かせない材料になっています。
しかしそのニーズの高さからマレーシアやインドネシアでは栽培面積が急激に拡大して、それが熱帯林消失の一因になってしまっているそうです。いま私がこのクッキーを食べるために、オラウータンの森が失われたりしているかもしれないわけですね。。。
JBIBの事務局長をされている足立さんのブログ記事を参考までに。
「パーム油は環境に優しいといわないで」

写真:FoE JapanのWebサイトから
■今日からできること
何もかもがつながっている世界。つながりをすべて切れば問題解決かというとそれだと私たちは生きていけません。全ての生態系はお互いに依存しあって成り立っていて、私たちの生活にも、ある程度のモノは必要です。でも必要だけど、自然生態系ともできるだけいい関係もつくりたい。その対応策を二つ提案します。どちらも、まあ当たり前の話ですけれど。
まず一つは、モノを作ってくれている人たちが、生態系への影響を最小限にするべく配慮しているかどうかを確認する。それによって、おなじ1つの商品を使っても、生態系に与える影響は違ってきます。
もう一つは、自分が使うモノのフローを減らす。大切に使う。繰り返し使えるような商品を買う。どんなにエコな商品でも、適切な「使える量」をわきまえずに湯水のごとく消費したら、生態系にダメージを与えるものになってしまいます。パーム油も、生分解性で再生可能という、とても優れた材料です。しかしそれを大量に生産しようとしたことが生態系への脅威となってしまっています。(同じような現象が、バイオディーゼルの生産現場でも起こっています。)
自分が買うモノの質を生態系という視点でチェックする、そしてモノを買って捨てる量を最小限にする。それが、生態系とのいい関係づくりの一歩のようです。
同じようなつながりは、家づくりにも
小舟木エコ村に住まわれる方は、家づくりに挑戦されます。今、家づくりを検討されている方には、ぜひ家の “質と量”もチェックしていただきたいな、と思います。「家」って個人がつくるものの中では最も大きいものの一つですから、その影響も大きいはず。どんなモノ(材料)をつかって家を作るかをきちんと確認することは、安全・安心な家づくりのためにも重要です。
以下に、家づくりのおすすめ確認ポイントをいくつかご紹介したいと思います。
■長く暮らせる、適切なサイズの上質な家を
家は、木材や金属を始めとして、たくさんの材料を使って建てます。21世紀は、現在のような20~30年の周期で家をスクラップ&ビルドすることは、現実的でなくなっていくでしょう。家族にとって大きすぎない適切なサイズ、そして、構造的にしっかりした家を建てて、建てた家は、できるだけ長く大切に使いましょう。
日本の家のライフサイクルは、海外に比べて非常に短いといわれています。日本全体で、中古住宅の流通システムを確立していくことなども必要でしょうね。
■家づくりの主役、「木材」にこだわって建てる。
木材は家づくりの主役であり、山や森から供給されています。自然生態系への影響を考えると、その木が育ち、伐られた場所にも想いを馳せることが重要です。生態系の影響に配慮しながら生産された木材を探すなら以下がポイント。
① 認証を取得した木材
最も安心なのは、第三者機関の認証を受けている木材を利用することです。FSC認証や、CoC認証などいくつかあります。
② 植林された木材
認証材が手に入りにくい場合は、建材用にきちんと植林・育成されている樹木を選ぶことです。日本では、杉、ヒノキ、アカマツやパインなどが一般的です。性質が同じなら、輸送のための環境負荷も少なく、薬剤の使用履歴等も確認しやすい国産材がおすすめです。
③ 不法伐採が疑われる木材は使わないこと。
残念ながら、海外の天然林を伐採して調達される樹木も市場にはまだまだ出回っているのが現状です。それを理解して、「不適切な木材は使わない」という意志を示しましょう!樹木の適正な調達ルートの整備は始まったばかりでまだまだ不確実性は伴いますが、樹種と産出国がわかれば、ある程度の危険性を予測することは可能です。
家づくりで使う木材には様々な部材がありますから、こちらの、フェアウッドの樹木図鑑など参考にして、エコな木材選びに挑戦してみてください!
■敷地を地域のビオトープに
日本の国土は7割が山地、残りが平地だと言われています。大陸から隔離されたこの島国には山地にも平地にも固有な動植物が多数生息しています。国際NGOコンサベーション・インターナショナルは、日本のあまりの多様性の高さに、日本列島全体を生物多様性ホットスポット(生物多様性が極めて豊かな一方で、破壊の危機に直面している地域)に指定しているくらいです。
日本の平地は人が暮らす場所として大半が開発されています。日本の生物多様性を保全していくためには、わたしたちが暮らすまちの中で、動物や地域固有の草花、受粉に重要な役割を果たす昆虫や鳥など多様な生物が共生していける道をさがしていく必要があるのです。
まちは、住まい、庭、公園、会社、道路…etcのパーツからなるジグソーパズルです。公の財政難から、公園や道路に緑を配置することも敬遠され気味の今、まちの環境を作っていく重要な要素は地域の中の個々の敷地であり、会社の社用地です。これらをまちのビオトープと捉えて一緒に豊かな環境づくりをしていきましょう!
小舟木エコ村では、この地域の生き物のビオトープづくりのために、ゆったりとした敷地をご提供するとともに「庭の植栽に地域の木を植えること」や「10坪菜園で有機無農薬ガーデニング」をおすすめしています。庭と庭の緑がどんどんつながって、そしていつの日か小舟木エコ村が「人もいきものも、いきいきとくらすいのちの森」のになる日が待ち遠しいです。
参考までに、「生物多様性」について簡単にご説明
生物多様性の危機、と聞いてどんなイメージを持つかと聞かれたら、私は世界の森林伐採の問題が思い浮かびます。最も古株なテーマの一つだと思います。他にも、ブラックバスなど外来種の問題、トキやパンダ、メダカなど絶滅危惧種の問題、『沈黙の春』が指摘した農薬の問題などを思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれません。とにかく、かなり幅広いテーマを含む言葉です。
これらの課題を一歩引いて眺めると、実はどれも「人間が生態系の働き方を十分に理解していない、または人間活動と自然の生態系との関係性が折り合わない」ために起こった問題でした。そこから「人と生態系との良好な関係性」をつくるための模索が始まり、その良好な関係の目標として、「地球の豊かな生物多様性を維持しながら人間活動を行うこと」が提案されました。
最近はさらに、人間と生態系の関係というよりも、人間も生態系の一部で、生態系のルールに則った活動を意識して行う必要がある、という捉え方が多くなってきているようです。日本人の自然観には馴染みのある考え方ですね。
■なぜ今?
最近、日本で生物多様性の保全の重要性が言われるようになった大きな理由としては、2010年に、『生物多様性条約の締約国会議(COP10)』が日本で開催され、各国が過去8年間の取組みの成果を報告しあうことになっていることがあります。
大きな流れとしては、この生物多様性を大切にしようという議論は、1970年代ころから始まっていました。それ以降、国際的なルールづくりが行われ、1992年に生物多様性条約が成立。以後、2年毎に締約国会議を行って、定期的に取組みの進捗確認や方針の策定が行われてきました。ちなみに、2008年は第9回締約国会議があった年で、開催国はドイツでした。
■日本の国としての取組み
環境省を中心として、国内での体制整備も少しずつはじまっています。2008年3月に発表した第3次生物多様性国家戦略によると、国内での課題として3つの危機を定義。
・第1の危機 人間活動や開発などによる、
生息・生育地の減少や環境の悪化など
・第2の危機 自然への人の働きかけが減ったことによる、
里山環境に暮らす生物の生息地消失
・第3の危機 外来種や化学物質などによる生態系の攪乱
さらに地球規模の課題として、以下の2点を指摘。
・地球温暖化による生物多様性への影響
・乱獲などによる世界の生物多様性の急激な減少
それらの課題に対する取組みを行っていくとしています。
生物多様性という言葉、これから2010年に向けてかなり頻繁に耳にするようになるでしょう。PRのためのコミュニケーションワードも決まったそうです。 >>「地球のいのち つないでいこう」
また、生物多様性に関する情報を発信するプラットフォームもできたそうです。
http://www.biodic.go.jp/biodiversity/
世界有数の技術を持って、世界中の資源を利用する日本。今後は世界一の生物多様性リテラシーを持って、新しいライフスタイル(ライフスタイルもある意味、技術であり知恵だと思います!)を発信していきたいですね。
齊藤千恵
Report6 アクションのきっかけに「物語」を
2010年に名古屋で、生物多様性条約の
第10回締約国会議(COP10)が開催されるとあり、
テレビなどで「生物多様性の保全」というキーワードを耳にすることも
多くなったのではないでしょうか。
滋賀県が発表した「持続可能な滋賀社会ビジョン」でも、
「低炭素社会の実現」と「琵琶湖環境の再生」を目標として掲げられており、
行政やNPO、企業の立場から生物多様性に関する動きも始まりつつあります。
先日、「市民型公共事業」として霞ヶ浦の環境再生に取り組み、
新しい価値の地域産業を次々と起こしている
アサザ基金代表理事の飯島博氏からお話を伺いました。
そこですごいと感じたのが、多くの人々の心を動かす
きっかけを作るような「モノ、物語」のパワー。
たとえば、飯島さんが取り組む霞ヶ浦における生態系保全活動では、
かつては普通に自生していた「アサザ」という水草に着目して、
流域の170を越える小学校においてアサザを育てる
学習プログラムを実施してきました。子供たちがアサザを育て
湖に植えつけるうちに、活動は子どもから大人へも広がっていき、
誰も注目しなかった「ただの草」が現在では「湖の美のシンボル」となり、
事業も里山の手入れや地酒ブランドの開発、漁業の振興など
多種多彩に展開しているそうです。(→アサザから生まれた事業イメージ)
同じく飯島さんが支援している秋田県地域振興局の
「環八郎湖・水の郷創出プロジェクト」では、地元に伝わる
八郎太郎物語という「竜」の伝説をモチーフに、
「小さな竜(トンボ dragonfly)を増やして、大きな竜を呼ぼう!」
と呼びかけています。
滋賀県でも、そうしたきっかけになるような「物語」はないか、と
図書館の郷土資料コーナーで探してみたら、
滋賀県児童図書研究会がまとめた
「みずうみのくにの18のものがたり」という本を見つけました。

たとえば、もともと琵琶湖の固有種である「ゲンゴロウブナ」にちなんで
堅田地方には「フナになった源五郎」という物語があるそうです。
堅田に住むなまけものの漁師、源五郎が、湖岸の葦原の中で
傷ついたフナを助けたところ、そのフナが美しい女に化けて村にやってきて、
源五郎の妻となりその恩を返す、という物語。結局「見ない」と約束していた
嫁の湯浴みを源五郎がのぞいたために、嫁は琵琶湖に消えてしまい、
探しにいった源五郎も舟から落ちて行方不明。でも数日後、
仲良く泳ぐ2匹のフナを見て、「源五郎はフナになった」と
漁師たちは噂していたそう。
今後の展開はまだ分かりませんが、身近にある当たり前のモノ、
地元に伝わる物語など、新しい視点で発掘してみると面白そうです。
Report5 場にパワーを育てよう
ここ数年、日本でも素敵な市民ムーブメントがいくつか見られるようになってきました。
例えば「100万人のキャンドルナイト」や「シブヤ大学」。
これらのムーブメントに共通する特徴のひとつに、多様なバックグラウンドを持った人たちが集まって活動している、ということが言えると思います。それぞれの持つ「得意」を出し合ってプロジェクトを行うことによって、とても魅力的なメッセージが社会に響いています。
もちろん、ただ人が集まってもこんなパワーは生まれません。どうしたら個人の集まりに有機的な反応を起こすことができるのか?
先日、カナダで訪問した、Center for Social Innovationに、まさにその「ひとのつながりづくり」をコンセプトにした活動を展開している人たちがいました。そこに、つながりづくりのヒントがある気がしましたのでご紹介します。
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