◆滋賀県といえば、菜の花プロジェクト!?
滋賀県といえば、琵琶湖。その琵琶湖を守るための活動として
環境活動にかかわる人の間で有名な「菜の花プロジェクト」。
1976年、滋賀県東近江市で生まれた菜の花プロジェクトは、
琵琶湖の汚染の原因である廃食油を回収し、
そこから石鹸をつくるところから始まりました。
90年代後半には、その原料である油に着目し、
地元にたくさんあった休耕田で菜の花栽培を始め、
これを搾油して、その油を家庭や給食にまわす。
その廃油はまた回収し、せっけんだけでなく
バイオディーゼル燃料にもリサイクルして、
スクールバスやトラクターを走らせる。
その菜の花畑は観光資源にもなるし、
菜の花からの蜂蜜や油で揚げた菓子など
新しいビジネスにもつながる・・・と、
どんどん大きな循環へとビジョンを展開していきました。

そんな一石何鳥もの菜の花プロジェクトは、
いまや日本全国100ヵ所以上に広がりを見せる
大きな市民活動ネットワークへと育っています。
◆ 菜種の自給
このように菜の花プロジェクトの活動が活発化する一方で、
日本で伝統的に使われてきた「菜種を搾って作る菜種油」は、
深刻な生産状況にあるそうなのです。
ナタネ油は日本人が消費する食用油の56%を占めるのですが、
日本で利用される菜種の約90%はカナダ産で、自給率はなんと0.03%。
しかも、カナダ産の菜種の84%(栽培面積ベース)は組み換え種で、
国内生産された菜種は、遺伝子組み換え菜種の油を食べたくないという
消費者ニーズに応えて地方の製油所や生協などが契約栽培をして支えてきたそう。
私も、会社の仲間たちと食材などの共同購入で、
影山製油所(島根県)のおいしい菜種油を愛用しているのですが、
その背景にこんな厳しい現実があったことを
去年の夏、初めて知りました。
きっかけは、国が菜種栽培のために続けてきた助成を
2008年産までとして打ち切りを決めたこと。
ナタネ生産農家の収益の4割を支える助成金がなくなると
生産をやめざるを得なくなり、これまでなんとか守ってきた
国産ナタネの灯が消えてしまう、との声があちこちで上がりました。
ここで私がすごい、と思ったのが、反対署名を集めるだけでなく、
「素人が家庭菜園やプランターで作ったところで
状況は何も変わらないかもしれないけれど、
皆で菜種を育ててみよう!」と消費者を巻き込み始めたことです。
小舟木エコ村のすぐ南側で有機農業に取り組むNPO法人 百菜劇場でも
この呼びかけに賛同して、菜園サポーターの何人かの皆さんと一緒に
菜種の栽培にチャレンジしてみることにしました。
今年の初夏、菜種を収穫できたら、島根の影山製油所にお願いして
油を搾っていただけるそうで、今から楽しみです。
◆菜種のヴァージンオイル
菜の花プロジェクトでも、菜種油というと「てんぷら油」
というイメージが強かったのですが、長野県大町市では
より付加価値の高い「菜種のヴァージンオイル」として事業化し
評判になっているそうです。
最初は、自分たちの作った油が、市販のものと比べて
色も香りもあまりに違うので「とても売り物にならない」
とあきらめていたそうなのですが、東京の有名フレンチ・シェフに
相談したことがきっかけとなって、思いがけない菜種油の味に気づいたそう。
オリーブオイルのように、パンにつけたり、
マリネや肉料理の香り付けにしたり。
フレッシュで香りも旨みも十分にある「菜種のヴァージンオイル」に、
油に対する考え方が180度変わりそうです。

話は少し脱線しましたが、
寒い冬の畑にもちらほらと黄色い菜の花が見える今日この頃。
菜種の地産地消に少し思いをはせてみませんか?
そして、小さくても菜園スペースをお持ちなら、
菜種の「自産自消」にも、一歩を踏み出してみませんか?
(ちなみに菜種の種まきは、9月頃が適期です!)
(高田友美)
<参考URL>
菜の花プロジェクトネットワーク
http://www.nanohana.gr.jp
国産ナタネの灯を消すな!緊急要請
http://www.yasudasetsuko.com/gmo/column/080602.htm
長野県大町市の地なたね油の取り組み
http://www.kanko-omachi.gr.jp/blog/archives/2008/06/post_678.html