ベドゼッド BedZED www.bedzed.org.uk
バイオリージョナル BioRegional www.bioregional.com

■BedZEDコミュニティの外観
屋根の上に見えるカラフルな煙突のようなものは、風力を生かした
熱交換&換気システム。風にゆらゆら揺れる様は、生き物の
触角のようでした。
窓に見える黒いシートは太陽光発電パネル。遮光と採光の
バランスをとると共に、住人にとっては目隠しの効果も。
どの住宅もパッシブソーラーを十分に生かしたデザインとなっています。
○BedZEDプロジェクト概要
事業主 ピーボディー財団(Peabody Trust)、バイオリージョナル(Bio Regional)
建築家 ビル・ダンスター(Bill Dunster architects)
所在地 UK Hackbridge, Sutton(英国ロンドン近郊、ヴィクトリア駅から電車で20分程度)
事業費 £15,700,000 (約30億円)
事業期間 1999年~2001年6月まで
英国王室から最高のサスティナブルコミュニティ開発に関する賞を2000年に受賞
イギリス、ロンドン近郊で進められるサスティナブル
コミュニティのプロジェクトであるBedZEDはピーボディー財団に
よって行われた、英国で最先端の大規模のカーボンニュートラルな
サスティナブルコミュニティの開発であり、省エネルギーの幅広い
可能性を包含している。この開発は82戸を供給し、1~4つの
ベッドルームからなる住宅は分譲、共同所有、賃貸が可能である。
フレキシブルな職場と職住混合のユニットのどちらも利用可。
○事業スキームにおけるカギ
・ 全ての建物の超断熱材
・ エネルギー需要を満たすことのできる、敷地内で電力と熱を供給するプラント
・ 水の消費量を削減するため、雨水や排水を再利用
・ 車への依存を最小化するグリーン交通戦略、電気自動車を含めた住民用のカークラブ
・ 電気自動車の電力を製造する太陽電池パネルである。
他に、建築については屋上緑化、太陽光発電パネルを兼ねた
窓ガラス、自然エネルギーによる熱・空気交換機、サンルームの設置、
生活については産直野菜やケナフ素材の衣料の販売などを行い、
全面的にZEDシステムしている。
○案内してくれた人
プーラン・デサイー(Bio Regional:地域環境コンサルタント&オーガナイザー)
ZEDプロジェクトとはZero (fossil fuel) Energy Development の
頭文字から名付けられている。私達の原則は、"One Planet Living"、
つまり一つの惑星の上で暮らすことだ。
WWFが発行しているワールド・エコロジカル・フットプリントを知っているかな?
これは1人の人間が生活のために、地球の表面積を占有しているのか、
エネルギーや食物の消費量から、国ごとに導いたものだ。現在英国人
1人当たりが占めている地球の地表面積は、6.7ha(日本は5.94ha)。
この生活を60億の人間が行うと、地球が3個必要になる。
ZEDプロジェクトは先進国のこのような生活スタイルを転換し、
60億の人間が地球1つ、つまりエコロジカルフットプリントでは1人当たり
2ha以下の地球を公平に分け合い、生活の質を向上することが可能な
社会づくりを目的としている。
そのために、我々は10の"One Planet Living"原則を開発した。
これらの原則は惑星の生態系の許容能力と調和するように生活する
ために必要な要素を定義しており、気候変動、再生不可能なエネルギー
資源利用、生息地の破壊、生物多様性の減少、化学汚染や社会から
疎外されることといった課題の解決に取り組んでいる。
BedZEDは食物、運輸、交通、住宅、電気製品による電力消費、
水処理と再利用、について工夫をしている。私達バイオリージョナルは、
地域の交通機関や運輸業者、営農集団らと連携することで、魅力ある
サービスを提供する役割を果たしていると同時に、地球に負荷をかけない
生活スタイルの提案を行っている。
もちろん、BedZED自体も完全なプロジェクトではありません。
これによって60億の人間が暮らすために必要な地球は1.6個、というところ
までエネルギーを削減できた。
Butterfly ZEDプロジェクトでは、地球1.0個までエネルギーを削減する
ことができると予測している。
ロンドン近郊では住宅建設ラッシュの中にある。貴重な農地や自然に
手をつけることなく、市民にいかにサスティナブルなコミュニティを供給
できるか、という社会的責務をこれからも果たしていくつもりだ。
○ 感想
子どもでもわかる'地球一つで暮らそう'というコンセプトはリオ宣言や、
WWFのエコロジカルフットプリントと言った世界的な背景から生まれている。
またそのコンセプトを実現する取り組みは環境負荷の少ない住宅建築
のみならず、職と職場環境の創造、地域の環境産業とのネットワークと
いった様々な生活に関する活動までを包含している。
印象的な外観を形成している特徴溢れる環境プロダクツに加えて、
よりスマートなくらしを実現するスマートライフ手帳を住人に配布するなど、
住民の意識の転換が先にあり、意識の高いレベルの住民生活に
応えられる居住環境を用意している、という基本的スタンスが印象的であった。
(2003 9/27訪問 )